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フォントデザインの基本003

幾何学に頼りきるべからず。

初めてフォントを作るときにありがちなのが、正円、同心円、四角、三角、垂直・水平線など、幾何学的な理屈を持ち出し、それらを配置しただけで満足してしまう、一見良さそうに見えて、実のところあまり評価されない行為である。幾何学を持ち出すのは多分にアリだが、十分に調整し、文字(文章を構成する文字列)として成り立つようにしなくてはならない。それをしないと野暮ったく、ダサい文字になってしまう(筆者の経験から)。

補正・調整する場所はいくつもあるので初歩的な段階として曲線の補正を考える。図Aは幾何学的な正円をAdobe Illustratorなどで描いたところ。これを文字の一部として配置してしまうと、人間の目には非常に不自然に写ってしまう。簡単にいうと、滑らかに見えない。そこで、実際には文字上のアンカーポイントやハンドルをずらす(図B)。カーブに差し掛かる地点とカーブ具合をコントロールして、幾何学的な円っぽいけど、滑らかに見える調整をするのだ。

先にも述べたが、この調整はフォントデザインに於ける一つの例に過ぎず、他にもたくさんすることが多いのだが、ここではすぐに理解できる、よくある調整不足を4つほど紹介する。

よくある例

(i)はよくある失敗。(ii)は(i)を修正したもの。ストロークの章でも述べたが、水平ステムは基本的には垂直ステムより細い。また、曲線部はオーバーシュートさせないと均質な高さにはみえない。交差部は黒味が強くなりすぎるのでジョイント部分はくびれを強くしなくては均質には見えない。(これはストロークの影響もある。)最後に上で説明した曲線の補正などをしなくてはスムーズには見えない。

オーバーシュートの例。曲線は大きめに書かなくては同じ大きさに見えない。

また、通常大文字のステム幅(CS)と小文字のステム幅(LS)には違いがあり、大文字の方が太い。これは大文字の方が当然文字が大きく、小文字と同じステム幅で描いてしまうと密度が薄くなってしまう。同一紙面で並べてしまうと違和感が出てしまうからである。ウェイトが太くなればなるほど顕著である。

アセンダーはキャピタルよりも高い方がかっこいい。

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