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フォントデザインの基本007

スペーシングの話3

スペーシングの最後に。スペーシングの方法はフォントデザイナーによって様々で、経験によるところも大きく、一概には言えないのだが、有名な方法としてWalter Tracyによる『Letters of Credit』に掲載されている方法を転載したい。この方法を使えばすべてうまくいくわけではないが、取っ掛かりとして有効である。

まずはじめに、大文字の「H」と小文字の「n」のサイドベアリングを決めなくてはならない。これらはコントロールレターとも呼ばれ全ての基本となる重要な文字である。取っ掛かりとして次のようにする。

  • 大文字HのサイドベアリングをHステム間の1/2に設定する。
  • 小文字nの左サイドベアリングをnステム間の1/2に設定する。
  • 小文字nの右サイドベアリングは左よりもやや小さくする。

最後の一行はnのアーチ状のショルダーが直線よりも余白を多く作るからである。次に、〈HHHHHHHH〉と〈nnnnnnnn〉と試し打ちし、上記の初期設定が適切かを確かめる。ヘビーなウェイトを除き大抵の場合、ステム間の1/2ではスペーシングが大きすぎるので調節する場合が多い。目安としてはステム間の25%–50%に収まる。タイトでも無くルーズでもない間隔を探す。既存のフォントを参考にしてもいい。次に

  • 大文字OのサイドベアリングはHよりもやや小さくする。
  • 小文字oのサイドベアリングはnよりも小さくする。

〈HOH〉と〈non〉と試し打ちし、バランス、色味がちょうどいいことを確認する。さらに〈HHOOHH〉〈HHOHH〉〈HHOHOH〉と〈nnoonn〉〈nnonn〉〈nnonon〉などテストを繰り返し、HOnoのサイドベアリングを確定する。

残りの文字はこれらHOnoを元に決めていくが、大きく分けて以下のように分類される。

大文字

  • Hと同じ(H)
  • Hよりもやや小さい(H-)
  • Hの約半分(1/2H)
  • Oと同じ(O)
  • できる限り最小(MIN)
  • 個別に対応(*)

小文字

  • nの左と同じ(nl)
  • nの左よりやや大きい(nl+)
  • nの右と同じ(nr)
  • oと同じ(o)
  • oよりやや小さい(o-)
  • できる限り最小(min)
  • 個別に対応(*)

上の分類を使ってまとめると次の表のようになる。

大文字 | 小文字
MIN A MIN | * a *
H B 1/2H | nl b o
O C 1/2H | o c o-
H D O | o d nl
H E ½H | o e o-
H F ½H  | * f *
O G H- | * g *
H H H  | nl+ h nr
H I H  | nl+ i nl
MIN J H  | nl j nl
H K MIN | nl+ k mn
H L MIN  | nl+ l nl
H- M H  | nl m nr
H- N H-  | nl n nr
O O O  | o o o
H P O  | nl+ p o
O Q O | o q nl
H R MIN | nl r mn
* S * | * s *
MIN T MIN | * t *
H U H-  | nr u nr
MIN V MIN  | min v min
MIN W MIN  | min w min
MIN X MIN  | min x min
MIN Y MIN | min y min
½H Z ½H | * z *

 

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